小中学校では夏休みが始まりますが、海外に出かける人も多いのではないでしょうか。海外に出かけると、いろいろなトラブルに遭遇するかもしれません。やれ乗り継ぎの飛行機が遅れたとか、盗難にあったとか、目的地にたどり着けない、とか。

実は私も、バルセロナを旅行中にパスポートをスられてしまったことがあります。明後日にロンドンに移動することになっていたので日程的にもギリギリでかなり焦りました。
物事は慣れてきた頃が気の緩みが出て一番危ないと言いますが、まさにその通り。海外滞在を繰り返しそれまで何事もなかったこともあり「そんなに言うほど危なくないじゃん」と思い完全に油断していました。
パスポートケースをバックパックのポケットに入れて地下鉄で普通にバックパックを背負っていたのです。スリからしたら一番スりやすいですね。「あれ、バックパックを誰か触っているかも」と気づいた時には時すでに遅し。ホームを走り去るスリの後ろ姿を見送ることしかできませんでした。

というわけで、そのときの経験をもとにここではパスポート紛失時にどのような手順で何をすべきなのかまとめてみたいと思います。

■ まずは警察へ

パスポートを紛失した時は、大使館または領事館(以下では簡略化のためまとめて大使館とします)に行くということを知っている人は多いようですが、実はいきなり大使館に行っても、まずは警察で”紛失(盗難)届出証明書”を発行してもらってください、と言われるようです。大使館側でも、公的な証明が無いと何も手続きできないので如何ともしがたいところです。

というわけで、トラブルにあった場合は基本中の基本でまずは警察署に行き紛失(盗難)証明書を発行してもらってください。
だいたい地球の歩き方などのガイドブックには、現地語で「パスポートを無くしました」という言葉が紹介されていることが多いので、ガイドブックの後ろの方を探してみてください。
必要事項に記入すると紛失証明書を発行してくれます。これはパスポートが無い間公的身分証明にもなるので大切に保管してください。

■ 持つべきものは友達/肉親だ

実はここが一番ハードルが高いんですが、現地でパスポートを発行してもらうには戸籍謄本などの公的書類がいるのです。
従って、日本側で誰か親しい人にできるだけ早く居住地の役所まで行ってもらって代理で戸籍謄本などの公的書類を取りに行ってもらう必要があります。(私の場合は妹でした。突然ですが対応してもらえて非常に助かりました。)

親類に取りに行ってもらったりする場合で、両親と異なる場所に住んでいたりする場合には、自分の居住地、例えば東京までわざわざ来てもらう必要があるので注意が必要です。
とにかく、平日などにすぐに役所に行ってもらうという社会人には結構ハードルが高いことをやってもらう人を探す。これをすぐにする必要があります。時差もあるので時間との勝負です。

入手した戸籍謄本はFAX、またはスキャンしたデータを大使館に送ります。まずはデータで大丈夫です。原本は後日郵送する必要があります。

日本で動いてもらう人がITなどに疎い人の場合は、「書類をデータで送る」というのに結構苦労するかもしれません。FAXも国際電話のやり方を知らない人は結構います。両親世代の人に頼む場合は遠隔でこれを指示するのは大変でしょう。

紛失証明書発行、大使館への届け出、日本での戸籍謄本の取得ができれば手続きはほぼ完了したも同然です。
すべての書類を提出したら、半日から1日程度でパスポートが再発行されます。これは一時的な仮のものではなく、通常正式なパスポートです。これまでのパスポートは無効手続きが取られるので、もし前のパスポートが見つかっても使用すると通報されるので注意してください。

これまでの過程で何度も大使館に行くことになります。面倒ですが致し方ありません。観光スポットから離れた場所に大使館がある場合は満足に観光もできなくなるので大変だと思います。

■ 入ってよかった旅行保険

旅行保険というと現地での怪我や事故に対応するためのもの、という感じがしますが、実はパスポートの再発行費用も旅行保険でまかなうことができます。万が一パスポートの発行が間に合わずホテル延泊となった場合の費用も出ます。
事故・怪我以外の場合もこういうケースで使えるので、やはり入っておくのが無難です。

よく旅行/出張にいくひとは旅行保険付帯のクレジットカードを持っておいた方が得かもしれません。クレジットカードの付帯保険は旅行に行く回数などに制限がありませんので、年会費を払う場合でも特になる事が多いです。

■ 一にも二にも用心

これまでの流れをまとめると、以下のような手続きの流れになります。

- 警察に行き紛失(盗難)証明書を取得
- 大使館/領事館に届け出
- 日本で親しい人に連絡し役所で戸籍謄本を入手してもらう
>データを送ってもらう

帰国後
- 戸籍謄本の原本を大使館/領事館に郵送
- 保険会社・カード会社に連絡し保険求償の手続き

大事な事は、焦らない事です。必要な手続きを淡々と進め、かつ焦らずに旅を楽しめる余裕を持ちたいところです。

大前提として、パスポートを盗られるなどということがなければ問題になりませんので、一にも二にも用心が大切です。
私のように油断しないように。。少しの用心で旅を楽しいものにできるのであれば、その方が良いですからね。